ペーパーレスFAXのメリット・デメリットは?導入事例6つも紹介
「ペーパーレスFAXを導入すると、どんな効果がある?」
「自社で導入する意義があるか知りたい」
このようにお考えではありませんか。
従来のFAXは、紙やインクといった消耗品の管理、受信した紙の管理などに手間がかかり、人的リソースの浪費につながりかねません。そこで本記事では、
- ペーパーレスFAXのメリット5つ
- ペーパーレスFAXのデメリット3つ
- ペーパーレスFAXの活用事例6選
を紹介します。
FAXにまつわる業務を効率化する方法について説明していますので、従来のFAXを使用している方は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、FAXによる受注管理に悩んでいる場合は、受発注システムの導入もおすすめです。FAXによる受注を効率化する方法を下記の資料でまとめたので、ダウンロードのうえご活用ください!
また、FAXによる受注を効率化るす手法については以下の記事にもまとめていますのでご興味がありましたら合わせてご覧くださいませ。
目次
ペーパーレスFAXとは
「ペーパーレスFAX」とは、紙を使用せず、パソコンで送受信ができるFAXのことを言います。
従来のFAXのように「プリントアウトした紙を送信する」のではなく、パソコン上でFAXの送受信が完結するため、コスト削減、管理の手間が削減できるなどの特長があります。
従来のFAXにはない、ペーパーレスFAXならではのメリットを見てみましょう。
ペーパーレスFAXのメリット5つ
ペーパーレスFAXのメリットは、下記のとおりです。
- 紙の管理が不要になり、業務効率化につながる
- FAXをいつでも確認でき、多様な働き方に対応できる
- 新しい機器が不要なため、すぐに導入できる
- アクセス権限によりセキュリティ性が高い
- 消耗品のコストを削減できる
受信したデータは共有ファイルとしてサーバー上に保存でき、インターネット環境さえあればいつでも確認可能です。スマートフォンからでも確認できるため、外出先やリモートワークでも柔軟に対応できます。順番に見ていきましょう。
【メリット1】紙の管理が不要になり、業務効率化につながる
ペーパーレスFAXを利用すると、従来のFAXと比較して業務効率化につながります。おもな理由は下記のとおりです。
- 紙のFAXを管理する必要がなくなり、文書管理が簡単になる
- FAXの送受信がパソコンだけで完結するため、FAX送信の手間が削減できる
1つ目の理由は、紙のFAXを管理する必要がなくなり、文書管理が簡単になること。
FAXで受信した書類は、ファイリングして棚に整理しなければなりません。また、保管期間が年単位になる場合は、ファイルの数が増えていくことになり、物理的な保管スペースも必要です。
しかし、ペーパーレスFAXを導入すると、書類をデータ保管できるようになるため、物理的な保管スペースは必要ありません。さらに、文書管理システムツールを導入すると検索性も上がり、目当ての書類をすぐに見つけられます。
2つ目の理由は、FAXの送受信がパソコンだけで完結するため、FAX送信の手間が削減できること。
従来のFAXの場合、パソコンで作成した書類をわざわざプリントアウトし、複合機に読み込ませてFAXを送信する、という流れになります。
しかし、ペーパーレスFAXの場合、作成した書類はパソコンからそのまま送信できます。印刷する必要も、離席して複合機から送信する必要もありません。FAX送信にかかる作業がパソコンだけで完結するため、業務効率がアップします。
【メリット2】FAXをいつでも確認でき、多様な働き方に対応できる
ペーパーレスFAXを利用すると、受信した内容をいつでも確認できるようになります。
従来のFAXを利用している場合、FAXを確認したいときは、保管しているファイルを探して閲覧する…という流れになります。たとえば外出先で閲覧したいケースでは、一度会社に戻らなければなりません。
ペーパーレスFAXであれば、受信した内容はPDFファイルとして所定の場所に保管されるため、インターネット環境があれば、いつでもどこでも確認できます。
従来のFAXを使用していると、社員がオフィスに常駐しなければならず、リモートワークの推進が滞りかねません。ペーパーレスFAXの導入はリモートワークの推進に役立ち、多様な働き方への対応も可能になります。
【メリット3】新しい機器が不要なため、すぐに導入できる
ペーパーレスFAXを導入する際、基本的に新しい機器は不要です。従来の複合機が対応している場合もあり、対応していない場合でもインターネット上で完結できるクラウドサービスがあります。
新しい機器を購入する必要がないため、初期費用を抑えられるのは大きな魅力のひとつ。用紙や保管棚などの消耗品・備品を増やす必要もありません。
新しい機器の導入が不要なため、ペーパーレスFAXは導入までのハードルが低く、FAX業務の効率化にはおすすめのサービスです。
【メリット4】アクセス権限によりセキュリティ性が高い
ペーパーレスFAXは、受信したデータをPDFファイルとして保管する際、送信元によって共有フォルダを振り分けることが可能。そのため、各フォルダにアクセス権限を設定することで、担当者以外の閲覧を制限できます。
従来のFAXでは、印刷された用紙がトレーに置きっぱなしになっているケースがよく見られます。誰でも閲覧できてしまうだけでなく、部外者が持ち出すことも可能なため、セキュリティ性は皆無と言っていいでしょう。
特に、契約に関する内容は契約金や条件など機密性が高い情報が多いため、担当者以外は閲覧できない環境が理想です。その点、ペーパーレスFAXは細かくアクセス権限を設定できるため、セキュリティ面での不安を解消できます。
【メリット5】消耗品のコストを削減できる
ペーパーレスFAXは、紙を使わずにFAXの送受信を行えるため、紙や印刷に使用するインク・トナーを必要としません。つまり、従来のFAXでは必要だった消耗品にかかるコストを削減できます。
また、消耗品そのもののコストだけではなく、備品を発注・管理する担当者の工数削減も可能となり、業務全体のコスト削減につながります。
ペーパーレスFAXのデメリット3つ
ペーパーレスFAXのデメリットは、下記のとおりです。
- 受信したFAXを自動保管する際は端末の電源を常時ONにする必要がある
- 専用のサービスやソフトが必要な場合がある
- 業務フローを見直す必要がある
FAX業務のやり方が大きく変わる可能性があるため、業務フローを見直す必要があります。ひとつずつ見ていきましょう。
【デメリット1】自動保管する際は電源を常時ONにする必要がある
FAXを自動的に受信・保管する場合は、パソコンの電源を常時ONにしておかなければなりません。そのため、外出時・退勤時に電源をOFFにした場合、重要なFAXを見落とす可能性があります。
見落としを防ぐためには、常時稼働しているサーバーやNAS(Network Attathed Storage)など、電源を落とさない端末をFAX受信先に設定するのがおすすめです。
なお、クラウドサービスを利用する場合はクラウド上にデータを保管するため、この限りではありません。
【デメリット2】専用のサービスやソフトが必要な場合がある
ペーパーレスFAXを利用するために、クラウドサービスの契約や、新しいソフトの購入が必要になるケースがあります。また、クラウド型のペーパーレスFAXの場合は、有料サービスの申し込みが必要になります。
そのほかにも、受信したPDFファイルを編集するために専用ソフトが必要になったり、手書き書類から送信用データを作成する際にスキャナが必要になったりするケースも。
ただし、PDF編集ソフトやスキャナは高価ではないうえ、もともと導入している企業も多いため、大きなデメリットではないとも言えるでしょう。
【デメリット3】業務フローを見直す必要がある
紙を使用していた従来のFAXから、データで送信できるペーパーレスFAXに変更する場合、関連する業務の運用が変わるため、業務フローそのものを見直す必要があります。
たとえば、上長の承認が必要な業務では、紙を回覧するのではなくフォルダ上で確認してもらわなければなりません。
この点は、「確認依頼」「確認済み」などのフォルダを活用することで、承認管理が簡単になります。フローを確認せずに移行するとトラブルにつながりかねないため、事前にしっかりと業務フローを確認しておきましょう。
また、導入後のイメージがわきづらい場合は、ペーパーレスFAXの導入事例を確認しておくのもおすすめ。自社に導入する際のイメージをつかみやすくなり、スムーズな移行に役立ちます。
【受注側】ペーパーレスFAXの活用事例3選
受注側企業におけるペーパーレスFAXの活用事例は、下記のとおりです。
- クラウン製パン株式会社 様
- CLALA JAPAN株式会社 様
- 多生堂 様
クラウン製パン株式会社様は、FAX書類の仕分けがなくなり、受発注にかかる時間を3分の1に削減できました。順番に内容を見ていきましょう。
【事例1】クラウン製パン株式会社 様
クラウン製パン株式会社 様は、パンの店舗販売や学校給食への提供をおこなっている企業です。同社では、受注業務をFAXでおこなっており、下記の課題を抱えていました。
- FAXで届いた発注書の仕分けに時間がかかっていた
- FAX用紙の取り違えなどで受注漏れが発生していた
- 大量のFAX用紙を消費していた
従来のFAXでの受発注による工数の多さが原因のひとつで、効率化が不可欠でした。
そこで、クラウン製パン様はペーパーレスFAX機能付きの受発注ツールを導入。紙の発注書の仕分けが不要になっただけでなく、FAXの取り違えというトラブルも解消でき、業務効率が大幅に向上しました。
1日3時間かかっていたFAXにまるわる業務を1時間に短縮でき、月間で60時間の削減につながったそうです。下記の記事で詳細を紹介しているので、ぜひご一読ください。
【事例2】CLALA JAPAN株式会社 様
CLALA JAPAN株式会社 様は、化粧品や美容機器などの製造・販売をおこなっている企業です。同社は、発注書にまつわる下記の課題を感じていました。
- FAXで届く発注書の管理に手間がかかっていた
- 発注書の更新作業に手間がかかっていた
受注件数が多くなるにつれ発注書の取り扱いも増え、卸売を始めた当初と比較して管理に手間がかかるようになりました。また、価格改定や新商品の販売などで発注書を新しくする必要があり、その都度新しいバージョンの発注書を各店舗に送るのも大変だったそうです。
そこで、CLALA JAPAN様はペーパーレスFAX機能付きの受発注ツールを導入。発注書がデータとしてツールに集約されるため、管理は簡単になります。発注書紛失の心配もなくなり、保管スペースの確保にもつながりました。下記の記事で詳細を紹介しているので、ぜひご一読ください。
【事例3】多生堂 様
多生堂 様は、印刷物や販促物、OA機器などの幅広い商品を取り扱う商社です。多くの顧客を抱える同社は、FAX受注に下記の課題を感じていました。
- 注文書の受領漏れが発生する
- 受領確認の電話やリファックスが手間
- 取引先にシステム導入による迷惑やストレスをかけたくない
FAXによる受注をおこなっていたとき、「顧客はFAXを送ったにも関わらず、同社には届いていない」という受領漏れが発生していました。ペーパーレスFAX機能付きの受発注ツールを導入し、データを共有することで上記の状況から脱却します。
以前はFAXの受領確認に3分前後の電話をしていましたが、確認連絡が不要になり、年間にして60時間の時間短縮を実現しました。下記の記事で詳細を紹介しているので、ぜひご一読ください。
・参考:多生堂さまの事例
【発注側】ペーパーレスFAXの活用事例3選
発注側企業におけるペーパーレスFAXの活用事例は、下記のとおりです。
- ル・フレザリア パティスリー 様
- 長谷観光株式会社 様
- たこやき 元祖 どないや新宿区役所通り店 様
長谷観光株式会社様は、月150時間を発注業務に使用していましたが、半分以下に削減できました。ひとつずつ内容を見ていきましょう。
【事例1】ル・フレザリア パティスリー 様
ル・フレザリア パティスリー 様は、東京に店舗を構える洋菓子店です。同店は、紙の発注書に記入してFAXする業務に、課題を感じていました。
- FAXによる発注業務に時間がかかっていた
- FAXのトラブルで発注がうまくいかないことがあった
洋菓子店は少量多品種の材料を取り扱うため、発注する商品数がとても多く、発注書の作成に時間がかかります。発注業務にかかる工数を削減するために、ペーパーレスFAX機能付きの受発注ツールを導入しました。
パソコンで業務を完結できるようになったことで、発注書の作成が不要になり、発注業務にかかる時間の短縮に成功。FAXのトラブルによる発注漏れもなくなり、安定した発注業務が可能となりました。下記の記事で詳細を紹介しているので、ぜひご一読ください。
【事例2】長谷観光株式会社 様
長谷観光株式会社 様は、料亭を運営している企業です。同社は「調理場からの発注内容を本部で確認し、取引先に発注する」という作業の過程で、下記の課題を感じていました。
- 調理場:手書きで発注書を書く時間がかかる
- 本部:調理場からFAXで届いた手書きの発注書を確認する時間がかかる
調理場では膨大な食材を確認し、手書きで発注書を作成していたため、発注業務に毎日2時間を費やしていました。一方、本部では調理場から届いたFAXを確認して、不明点は再度確認するフローをおこなっています。
これらの作業に、調理場と本部をあわせて、発注業務に毎日5時間前後を費やしていました。
発注書の作成時間を削減すべく、長谷観光様はペーパーレスFAX機能付きの受発注ツールを導入。調理場では手が空いたときにツールからすぐ注文できるようになったため、月150時間かかっていた発注業務が半分以下になりました。
また、本部でも発注書の確認や取りまとめといった作業をパソコン上でおこなえるようになり、手書きの発注書を取り扱う手間から解放されました。
下記の記事で詳細を紹介しているので、ぜひご一読ください。
・参考:長谷観光株式会社さまの事例
【事例3】たこやき 元祖 どないや新宿区役所通り店 様
たこやき 元祖 どないや新宿区役所通り店 様は、たこ焼きを販売している店舗です。同店は、発注業務に課題を抱えていました。
- ほとんどの発注先にFAXで発注
- 書き間違い、読み間違いが多発
- 発注業務にストレスを感じていた
ペーパーレスFAX導入以前は、複数の発注先に対してすべて紙で発注しており、管理が大変でした。ペーパーレスFAXはデータとして発注情報が残るため、データの共有と管理が簡単です。
また、FAXでの発注ゆえの読み間違いや書き間違いがなくなり、正確な発注が可能になりました。下記の記事で詳細を紹介しているので、ぜひご一読ください。
まとめ:ペーパーレスFAXを活用して正確な情報共有を図ろう
ペーパーレスFAXは、紙を使わずパソコンだけで完結できる新しいFAXの方法です。紙を使用しないため文書管理が簡単になり、業務効率化につながります。
さらに、インターネット環境があれば利用できる手軽さも魅力で、自宅でも確認できるためリモートワーク推進にも役立つと言えるでしょう。
ペーパーレスFAXを導入すると、パソコンで作成したデータをそのまま送受信できるため、手書きによる書き間違い・読み間違いが発生しなくなります。手書きFAXにまつわるお悩みをお持ちの方は、ぜひ導入を検討してみてください。
手書きFAXによる受注管理に悩んでいる場合は、ペーパーレスFAX機能付きの受発注システム導入がおすすめです。下記の資料で、受発注システム「CO-NECT(コネクト)」でできることをまとめましたので、受発注管理を効率化したい方は、ぜひダウンロードのうえご活用ください!