企業間取引(BtoB)とは?メリット・BtoCとの違いとWeb化を解説

企業間取引とは、企業と企業の間で行われる取引のことです。「BtoB(Business to Business)」や「B2B」とも呼ばれ、メーカーと卸売業者、卸売業者と小売店、企業向けサービス会社と法人顧客など、さまざまな形があります。
「BtoBとは何か」「BtoCとは何が違うのか」を知りたい方のために、この記事では企業間取引の特徴、メリット・デメリット、BtoCとの違いをわかりやすく整理します。
さらに、企業間取引では受発注や請求などのWeb化も進んでいます。BtoB ECやEDIの違い、企業間取引のWeb移行を進める方法まで紹介します。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに更新しています。
企業間取引とは

企業間取引とは「BtoB(Business to Business)」のことで、企業が別の企業に商品やサービスを提供する取引を指します。BtoB、B2B、B to Bなど表記は複数ありますが、意味は基本的に同じです。
たとえば、食品メーカーが卸売会社へ商品を販売する取引、部品メーカーが製造会社へ部材を供給する取引、IT企業が法人向けに業務システムを提供する取引などがBtoBにあたります。
BtoB取引の特徴
BtoB取引には、BtoCと比べて次のような特徴があります。
- 1件あたりの取引金額や取引量が大きくなりやすい
- 継続取引が多く、取引先ごとに価格や納品条件が異なることがある
- 担当者だけでなく、上長や購買部門など複数人が意思決定に関わることがある
- 掛け払い・請求書払いなど、企業間特有の決済条件が使われることが多い
- 商品・サービスの選定から契約までに時間がかかる場合がある
特に、取引先ごとに商品、単価、締め日、納期、支払い条件などが変わる点は企業間取引の大きな特徴です。継続的な関係を築きやすい一方、取引条件が増えるほど受発注や請求の管理も複雑になりやすくなります。
BtoCとの違い
BtoCは「Business to Consumer」の略で、企業が一般消費者に商品やサービスを提供する取引を指します。
BtoBとBtoCの主な違いを整理すると、次のとおりです。
| 項目 | BtoB(企業間取引) | BtoC(企業と消費者の取引) |
|---|---|---|
| 取引相手 | 企業・法人・組織 | 一般消費者 |
| 取引金額 | 比較的大きくなりやすい | 比較的小さくなりやすい |
| 意思決定 | 複数の担当者・承認者が関わることがある | 個人が判断することが多い |
| 取引期間 | 継続取引になりやすい | 単発購入も多い |
| 価格・条件 | 取引先ごとに異なる場合がある | 原則として同一条件で販売されることが多い |
| 決済 | 掛け払い・請求書払いが多い | 購入時の即時決済が多い |
もちろん業界や商材によって例外はありますが、BtoBでは「継続取引」「複数人での意思決定」「取引先ごとの条件」が業務設計に影響しやすい点を押さえておくとよいでしょう。
企業間取引のメリット・デメリット

企業間取引には、安定した取引につながりやすいメリットがある一方、取引先や業務フローが固定化しやすいという側面もあります。
企業間取引のメリットは?
1つ目は、1件あたりの取引規模が大きくなりやすいことです。企業が事業活動に必要な商品・原材料・サービスなどをまとめて購入するため、BtoCと比べて数量や契約金額が大きくなるケースがあります。
2つ目は、継続取引につながりやすいことです。一度取引条件や業務フローが整えば、同じ企業との発注・納品・請求を繰り返すことが多く、売上や需要の見通しを立てやすくなります。
3つ目は、取引先との関係を深めながら提案を最適化しやすいことです。継続的に取引することで、相手企業の発注傾向や課題を把握しやすくなり、商品構成や納品方法、運用方法などを調整しやすくなります。
企業間取引のデメリットは?
1つ目は、商談から契約までの期間が長くなりやすいことです。導入費用や取引金額が大きい場合、担当者だけではなく上長や購買部門など複数の承認が必要になり、検討期間が長くなることがあります。
2つ目は、特定の取引先への依存が大きくなるリスクです。大口顧客との継続取引は売上を安定させる一方、その取引が縮小・終了したときの影響も大きくなります。
3つ目は、取引条件や受発注方法が複雑になりやすいことです。「A社はFAX、B社はメール、C社はWeb」「取引先ごとに価格や締め日が異なる」といった状態になると、受注内容の確認や転記、請求処理などの手間が増えます。
このような企業間取引特有の業務負担を減らす方法として、近年は受発注や請求をWeb上で行う仕組みの導入が進んでいます。
企業間取引において進むWeb移行

企業間取引では、電話・FAX・メール・紙の帳票を使ったやり取りも残っていますが、受発注や取引データを電子化する動きは着実に進んでいます。
経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内BtoB-EC市場規模は514兆4,069億円で、前年比10.6%増となりました。また、BtoB取引全体に占めるEC化率は43.1%で、前年から3.1ポイント上昇しています。
金額ベースで見ても企業間取引の電子化が進んでいることがわかります。
BtoB ECサイトとは
BtoB ECサイトとは、企業間で商品やサービスの注文・取引をオンラインで行う仕組みです。一般消費者向けのECサイトと似た画面で発注できるものもありますが、BtoBでは取引先ごとの価格、掛け率、商品表示、支払い条件など、企業間取引に合わせた設定が必要になります。
注文受付をWeb化できれば、電話の聞き間違いやFAXの読み取り、メールから基幹システムへの転記といった作業を減らしやすくなります。また、発注履歴をデータとして残せるため、注文状況の確認や集計もしやすくなります。
BtoB ECについては、下記の記事でも詳しく解説しています。

EDIとは
EDI(Electronic Data Interchange)は、受発注・出荷・請求などの取引データを、企業間のシステム同士で電子的に交換する仕組みです。
大量の取引を定型的に繰り返す場合は、注文データを人が入力し直さずにシステムへ取り込めるため、入力作業の削減やミス防止につながります。一方で、取引先とのデータ形式や接続方法の調整が必要になる場合があります。
現在は専用回線だけでなく、インターネットを利用するインターネットEDIや、ブラウザから利用できるWeb-EDIなどさまざまな方式があります。
Web-EDIについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

企業間取引のWeb移行を進める方法

企業間取引のWeb化は、すべての取引先や業務を一度に変更する必要はありません。既存の取引方法を整理し、効果が出やすいところから段階的に進める方法が現実的です。
1.現在の取引方法と作業量を整理する
まず、電話・FAX・メール・Webなど、現在どの経路から注文を受けているかを確認します。あわせて「1日何件あるか」「転記に何分かかっているか」「どこでミスが起きやすいか」まで整理すると、優先してWeb化すべき業務が見えやすくなります。
2.取引先と業務に合う方法を選ぶ
企業間取引の電子化には、BtoB EC、EDI、受発注システムなど複数の方法があります。重要なのは、機能の多さではなく、自社と取引先の運用に合う方法を選ぶことです。
| 方法 | 向いているケース | 確認したい点 |
|---|---|---|
| BtoB EC | Web上で商品を選んで発注してもらいたい | 取引先別価格・商品表示・決済条件に対応できるか |
| EDI | 大量・定型の取引データをシステム間で連携したい | データ形式や接続仕様を取引先と合わせられるか |
| 受発注システム | FAX・電話・メールに散らばる注文をまとめたい | 取引先が使いやすいか、既存業務とつながるか |
| AI-OCRなど | FAXやPDF注文書を残しながら入力作業を減らしたい | 帳票の読み取り精度、確認フローを設計できるか |
3.一部の取引先から試す
最初から全取引先へ切り替えるのではなく、協力を得やすい取引先や注文件数の多い取引先から試すと、運用上の課題を把握しやすくなります。現場の担当者と取引先双方の使い方を確認しながら、対象を広げていきます。
4.受注後のデータ活用まで考える
注文をWebで受けるだけでなく、その後の出荷、納品書・請求書作成、販売管理システムへの連携までつなげると、二重入力をさらに減らせます。企業間取引のWeb化では「注文の入口」だけでなく、受注後の業務全体を見て設計することが重要です。
企業間取引のWeb移行は急速に進んでいる

企業間取引(BtoB)は、企業同士が商品やサービスを売買する取引です。BtoCと比べて取引金額が大きく、継続取引になりやすい一方、取引先ごとの価格や納品条件、受発注方法などが複雑になりやすい特徴があります。
こうした業務を効率化する手段として、BtoB ECやEDI、受発注システムなどを活用したWeb移行が進んでいます。すべてを一度に変えるのではなく、FAXや電話の受注、手入力が多い業務など、負担の大きい部分から段階的に見直すのがポイントです。
受発注業務からWeb化を進めたい場合は、BtoB受発注システム「CO-NECT」も選択肢のひとつです。取引先はスマートフォンやPCから発注でき、受注側は注文を1画面で管理できます。FAX・PDFなどの注文書が残る場合は、AI-OCRを組み合わせてデータ化する方法もあります。
「企業間取引をWeb化したいけれど、自社ではどこから見直せばいいかわからない」という方は、まず受発注の仕組みから整理するのがおすすめです。CO-NECTの資料では、受発注をWeb化する仕組みやできることをまとめています。自社の取引方法に合うか、資料で確認してみてください。