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伝票とは?発注・受注に必要な伝票の種類や作成方法をまとめて解説

「伝票の種類や役割とは?」
「伝票作成の負担を減らし、経理業務の効率化を図りたい」

と思うことはありませんか?

伝票は、会計業務の効率化を行うためには欠かせない手段のひとつです。しかし、作成や保管に手間や時間がかかる課題を抱えている企業も少なくありません。

そこで当記事では、伝票の基本知識や種類、作成方法を解説します。記事後半では、受注データを受け取った後にそのまま伝票作成ができる「受発注連動」の仕組みも紹介していますので、経理業務の工数削減を行いたい場合は、ぜひご一読ください。

伝票作成や管理に必要な工数を削減し、さらなる効率化を目指す場合は、自動化や仕組み化をするのがおすすめです。弊社が提供している受発注システム「CO-NECT」では、受注したデータから伝票の自動作成も可能です。

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伝票とは?納品書や請求書との違いを解説

伝票とは企業や店舗などにおいて、金銭の出し入れや取引内容を記録する書類のことです。記録を伝票に残すことで、会計処理を整理し、効率的に処理することができます。

同じく会計処理で使用する仕訳帳との違いは以下の通りです。

▼仕訳帳と伝票の違い

  • 仕訳帳:すべての取引を日付順に記録する帳簿
  • 振替伝票(仕訳伝票):仕訳帳の代わりに個々の取引を記録し、あとから総勘定元帳へ転記(振替)する

振替伝票・入金伝票・出金伝票などの種類がありますが、書式に法的な決まりはありません。とはいえ、伝票に記載すべき共通項目はあるため、漏れなく記録するようにしましょう。

▼伝票に記載する共通項目

  • 取引をした日付
  • 勘定科目
  • 取引内容(摘要)
  • 金額
  • 伝票を記入した人(起票者)の押印・サイン

いつ・誰が・誰に・何を・いくらの金額で」取引したのか、あとから振り返ったときにわかるようにしておくのがポイントです。

また、納品書や請求書と伝票を混同してしまうことがあります。しかし、それぞれ作成する目的や発行のタイミングが異なります。

▼納品書・請求書・伝票の違い

  • 納品書:取引先に対し、商品やサービスを納品するときに発行する書類
  • 請求書:取引先に対し、商品代金の支払いを依頼する書類
  • 伝票:取引や入出金があった時点で、内容を記録する書類

上記のように役割が違う書類になりますので、区別して使い分けることが重要です。

続いて、経理・会計業務でよく使われる伝票の種類を解説します。

経理・会計業務でよく使われる伝票の種類は5種類

企業の経理・会計業務で使われる一般的な伝票は以下のとおりです。

  • 振替伝票(仕訳伝票)
  • 入金伝票
  • 出金伝票
  • 仕入伝票
  • 売上伝票

それぞれの特徴や書き方の例を解説します。

振替伝票(仕訳伝票)

振替伝票は、現金以外の取引を記録するものです。仕訳帳と同様に借方・貸方に分けて記載することから「仕訳伝票」とも呼ばれます。

たとえば、以下のシーンで振替伝票が活用されます。

  • 銀行口座に振り込みがあったとき
  • 振込手数料を支払ったとき
  • 商品代金の支払いが後日になるとき
  • 約束手形や小切手で取引をしたとき

振替伝票は、後述する入金伝票や出金伝票のように、借方・貸方双方に現金が発生しない取引を記録するため、それぞれに勘定科目を記載する項目が用意されています。

▼振替伝票の書き方例

商品Aを取引先に売り渡し、代金は後日受け取る約束をした。

借方 金額 摘要 貸方 金額
売掛金 10,000 商品A 50個 売上 10,000

このとき、借方・貸方の金額は同じになるところがポイントです。

入金伝票

現金の入金取引を記録する伝票です。活用シーンの一例は以下のとおりです。

  • 商品やサービスの販売代金を、顧客から現金で受け取った
  • 売掛で取引した商品代金を現金で受け取った

現金で入金があった場合、借方は必ず「現金」となります。そのため、振替伝票のように借方・貸方双方を記入する項目はありません。

したがって、入金伝票には貸方の勘定科目のみを記入します。

▼入金伝票の書き方例

商品Aを顧客に販売し、代金を現金で受け取った。

科目 摘要 金額
売上 商品A 5個(@1,000) 5,000

仮に現金ではなく、銀行口座に代金が振り込まれた場合には、入金伝票ではなく振替伝票での処理となります。

出金伝票

現金での出金取引を記載する伝票です。以下のシーンで出金伝票を使います。

  • 交通費や消耗品代金を現金で支払った
  • 仕入代金を現金で支払った
  • 買掛で取引した商品代金を現金で支払った

入金伝票と同様、出金伝票にも借方・貸方の項目はありません。なぜなら、貸方が必ず「現金」となるからです。

借方の勘定科目だけを出金伝票に記載します。

▼出金伝票の書き方例

備品の商品Bと商品Cを購入し、代金は現金で支払った。

科目 摘要 金額
消耗品費 商品B 10個 3,500
消耗品費 商品C 25個 4,000

直接現金で支払うのではなく、取引先の銀行口座に振り込みしたり、クレジットカードで支払ったりした場合は、出金伝票ではなく振替伝票を使いましょう。

仕入伝票

仕入に係る取引を記録する伝票です。後述する1伝票制や3伝票制では使わず、5伝票制でのみ使われます。

基本的に「仕入は買掛でする」企業で多く使われています。そのため、仕入時は借方が「仕入」、貸方が「買掛金」になるのが一般的です。

すでに共通した勘定科目が決まっているため、伝票内に科目を記載するところはありません。その代わり、どの商品をいくつ仕入れたのかわかるように、具体的な品名や数量、金額を記録します。

▼仕入伝票の書き方例

商品Dを取引先から買掛で購入した。代金は後日支払う約束をした。

品名 数量 単価 金額
商品D 50個 2,000 100,000

数量や金額間違いのないように、記入していくのがポイントです。

売上伝票

売上が発生したときに記録するのが売上伝票です。仕入伝票と同様、5伝票制のみで使われます。

商品は売掛で取引するのが前提です。そのため、借方が「売掛金」、貸方が「売上」となります。

▼売上伝票の書き方例

商品Eを売掛で取引先に販売した。代金は後日受け取る約束をした。

品名 数量 単価 金額
商品E 50個 2,000 100,000

仕入伝票と同様、数量や金額などの記入間違い・漏れがないようにしましょう。

ここまで一般的な伝票の種類を5つ解説しました。お伝えした5つのほかにも、業種や業務内容に特化した伝票もあります。

その他の伝票

その他にも、以下の伝票を活用している企業もあります。

  • お会計伝票
  • 作業伝票
  • 受発注伝票
  • 契約伝票
  • 入出庫伝票
  • 訂正返品伝票
  • チェーンストア統一伝票

これらの伝票は、経理業務の効率化、取引記録の明確化を目的として作成されています。現在の伝票が分かりにくいと感じている場合は、上記の伝票を活用して業務の整理ができるか確認してみるのもおすすめです

次の項目では、伝票式会計と伝票の関係を紹介します。

伝票式会計と使用する伝票

伝票式会計とは、仕訳帳の代わりに伝票を利用し、伝票に記録した内容を総勘定元帳に直接転記する方法です。

ここでは以下2点を解説します。

  • 伝票式会計には3種類の伝票制がある
  • 各伝票制の特徴と向いている業種

それぞれ見ていきましょう。

伝票式会計には3種類の伝票制がある

伝票式会計には3つの種類があります。

  • 1伝票制
  • 3伝票制
  • 5伝票制

使用する伝票の枚数によって、使用する伝票システムの種類は決まります。どの伝票制がよいかは、事項で紹介する特徴を参考に最適な伝票タイプを採用しましょう。

各伝票制の特徴と向いている業種

各伝票制の特徴と向いている業種を表にまとめました。

種類 使用する伝票 特徴 向いている業種
1伝票制 振替伝票のみ ・伝票の管理がしやすい
・すべての取引を記入できるが、仕訳処理が複雑になる
仕訳帳に記入する工数を減らしたい企業や店舗
3伝票制 入金伝票・出金伝票・振替伝票 ・現金取引のやり取りや流れを明確にできる 飲食業・サービス業・小売業など、現金での取引が多い業種
5伝票制 入金伝票・出金伝票・振替伝票・仕入伝票・売上伝票 ・掛け取引のやり取りや流れを明確にできる 製造業・卸売業・建設業など、仕入や売上で掛け取引が多い業種

振替伝票のみを使う場合は1伝票制、3つの伝票を使うのが3伝票制、5つの伝票を使うのが5伝票制となっています。

現金でのやり取りが多い業種では、入金・出金伝票も使う3伝票制が向いています。現金のほか、売掛や買掛での取引が多い場合は、仕入・売上伝票を使う5伝票制がよいでしょう。

伝票制を取り入れる場合は、自社にとって最適なものを採用しましょう。

ここまで読んで「なぜ伝票を使わなければならないの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。続いて、伝票を活用するメリットを解説します。

伝票を活用するメリット

伝票を活用するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 簿記の専門知識がなくても伝票を作成しやすい
  • 複数の担当者で伝票作成業務を分担できる
  • 会計処理の効率化を図れる

ひとつめのメリットは、簿記の知識がなくても作成がしやすい点です。

仕訳帳に記載する場合は、借方・貸方の勘定科目を覚えなければならず、実務経験が少ない経理担当者にはハードルが高い業務になります。しかし、売上・仕入伝票など勘定科目の記載がいらないものであれば、書き方を覚えれば早い段階で実務への対応が可能です。

2つ目は、複数の担当者で伝票作成業務を分担できる点です。

仕訳帳を使って取引を記録していく場合は、1冊の仕訳帳を使います。そのため、複数人で分担して作業することが難しく、1人の担当者に業務負担が集中しがちです。

しかし、伝票を活用すると入出金伝票はAさん、仕入・売上伝票はBさんのように分担が可能になり、担当者の負担を軽減できます。

3つ目は、会計処理の効率化を図れることです。

仕訳帳は日付順に記載する必要があるため、あとから間違いが見つかった場合の修正がしにくくなります。伝票を使うことで、あとから振り返ったり修正したりする作業もしやすくなり、会計処理や管理の効率化が期待できるのです。

伝票を活用するメリットを3つ解説しました。次の項目では、伝票作成を効率的に行う具体的な方法を見ていきましょう。「伝票の作成方法を変えていきたい」とお考えの方は、ぜひ読み進めてみてください。

受注や発注内容の伝票を作成する5つの方法

伝票作成の具体的な方法として、以下の5つを紹介します。

  • エクセルや会計ソフトによる作成
  • 手書きによる作成
  • 会計事務所など委託による作成
  • OCRによる作成
  • データ連携からの作成

ひとつずつ、特徴や注意点を解説します。

【方法1】エクセルや会計ソフトによる作成

中小企業で主流となっているのが、エクセルや会計ソフトを使って伝票を作成する方法です。

エクセルを日常的に使っている企業は多く、操作に慣れたソフトで伝票を作成できます。インターネット上で伝票用のテンプレートを無料で配布しているサイトもあり、低コストで始められるのが特徴です。

会計ソフトを使うと、エクセルでの管理と比べて初期費用やランニングコストがかかります。

一方で、エクセルなどで伝票用のシートを設計する必要はなく、直感的な操作で会計処理ができるメリットもあります。また、関数の間違いによるエラーが起こりにくく、セキュリティー対策もされているので安心して利用可能です。

会計ソフトによっては簿記の知識がなくても利用しやすいものもあるので、人材育成に力を入れにくい企業にもおすすめです。

<注意点>

  • 数値や勘定科目などは人が入力するため、ミスが起こる可能性がある
  • エクセルの場合は、自社に合うレイアウトや計算ができる伝票を作るために時間がかかる。管理やセキュリティー対策の手間がかかる
  • データ量が多くなってくると表示や処理速度が遅くなる可能性がある

【方法2】手書きによる作成

一般的な様式の伝票は、文具店やインターネットなどで気軽に購入できます。また、取引先に伝票を指定されているなどで手書きで作成している企業も少なくありません。

紙の伝票を使う場合は、加筆・改ざんを防ぐために消えないボールペンを使用して記入します

修正が必要になった場合は、該当箇所を二重線で消し、その上から訂正印を押すのが基本です。伝票番号が割り振られているため、記入を間違った場合でも廃棄せずに残しておくのが一般的です。

なお、自社で用意する場合は転写式など改ざんがしにくいものを選びましょう。

<注意点>

  • 記載ミスが起こる可能性がある
  • 作成に時間がかかる
  • 紙で長期間保管しなければならず、場所の確保が必要
  • 取引内容の確認をする際、どの伝票に書かれているのかわからず、探す手間と時間がかかる
  • 紛失や誤廃棄、持ち出しが起こらないように、管理を徹底しなければならない

【方法3】会計事務所など委託による作成

会計の専門知識を持つ担当者がいなかったり、業務をするうえで人件費や教育コストがかかりすぎたりする場合、会計事務所などに委託するのも1つの方法です。

専門知識を持つ公認会計士や税理士などに依頼することで、会計処理の正確性が増します。さらに、法改正などによる会計処理の変更にもすぐ対応ができるため、自社で行うときと比べて工数削減も期待できます。

削減できた時間をほかの経理業務に充てれば、ピーク業務の平準化も可能です。

新たに経理担当者を採用して教育するよりも、外部の会計事務所などに委託したほうが費用対効果を得られる場合があるので、他の対策と比較検討してみるといいでしょう。

<注意点>

  • 委託するコストがかかる
  • 委託先が業務内容を把握するのに時間がかかる
  • レシートや領収書などを集め、取引内容を共有する時間が発生する

【方法4】OCRによる作成

OCRとは、Optical Character Recognition(またはRecognition)の頭文字を取ったものです。手書き・印刷による文字をスキャナやカメラで読み取り、テキスト部分をデータに変換する技術のことを言います。

手書きや印刷のテキストを文字データにすることで、これまで人の手をかけて実施していた伝票作成作業の時間が削減可能です。また、入力ミスの削減や、過去の取引を検索するだけで探せるようになるメリットもあります。

紙の伝票で保管していたスペースを減らせるほか、管理もしやすくなるため、大幅な業務効率化が期待できるでしょう。

<注意点>

  • 読み取りの精度が悪いと、正しい文字でテキストデータが表示されない場合がある

なお、OCRの詳しい仕組みやメリット、導入のポイントなどを以下の記事にてまとめています。デジタル技術を取り入れ、経理業務の効率化を図りたい方は、あわせてご一読ください。

【方法5】データ連携からの作成

電子請求書や受発注システムからデータを連携させて、伝票を作成するパターンです。

新たにデータ連携ができるシステムやサービスを導入する必要がありますが、手書きやエクセルで伝票を作成する際の課題解消が期待できます。

たとえば、受け取った受注データからそのまま伝票を作成したり、取引内容の改ざんや伝票紛失などのリスクを抑えたりすることが可能です。システム上で登録や保管をするため、テレワーク環境下でもスムーズな業務推進ができるようになります。

弊社が提供している受発注システム「CO-NECT(コネクト)」では、受注したデータから伝票作成も可能です。これまで工数をかけてきた、伝票の作成や管理の効率化を図れます。

実際にCO-NECTを導入した企業では、以下の効果を実感されています。

▼CO-NECT導入後の効果例

  • 受注後の確認や伝票作成が自動でできるようになり、作業時間の大幅な短縮ができた
  • すべて紙で伝票類を保管していたが、ペーパーレス化が実現し、保管コストの問題が解消できた
  • 確認や見直しをするときには伝票を1枚1枚めくって探していたが、システム上で簡単に検索できるようになった

参考:株式会社日創プラス 様 | 受注〜請求に関わる事務作業を月70時間以上も短縮!事業拡大の原動力として手放せないツールに | 導入事例

CO-NECTでは伝票のほか、納品書や請求書といった帳票作成、分析レポートの作成なども可能です。初期費用0円で導入でき、今なら無料トライアルで実際の操作感もお試しいただけます。受発注業務の効率化に課題を抱えている方は、ぜひお試しください。

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またCO-NECTでは、受注情報をもとに受注機能に連携できる「受発注連動」を搭載しています。受注情報からそのまま発注が可能になるため、受発注業務の工数削減につなげられます。

さらに、発注した商品が到着したあとの在庫管理を自動化させることも可能です。

受発注連動の活用で得られる効果や、実際の業務での流れは以下の記事にてまとめています。受注発注方式での発注が多い企業担当者の方は、あわせてご一読ください。

まとめ:伝票の種類や最適な伝票制を理解して効率的な運用を目指そう!

本記事では、伝票の基本知識や種類、作成方法を解説しました。

伝票とは、取引や入出金があった時点で内容を記録する書類のことです。代表的なものには、振替伝票・入出金伝票などがあり、自社で採用している伝票制によって活用する種類が異なります。

エクセルなどのソフトや手書きで伝票を作成する方法がありますが、入力間違いや漏れなどの人的ミスが起こる可能性があります。また、保管や管理面で課題を抱える企業も少なくありません。

伝票作成や管理に必要な工数を削減し、さらなる効率化を目指す場合は、自動化や仕組み化をするのがおすすめです。弊社が提供している受発注システム「CO-NECT」では、受注したデータから伝票の自動作成も可能です。

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