受注後の在庫確認・納期回答・出荷指示を効率化する方法

受注のあとの手間を減らす近道は、入力を速くすることより、注文・在庫・出荷の確認先を一か所にそろえることです。
受注の入力が終わっても、仕事はそこで終わりません。在庫があるかを確かめ、納期を取引先に答え、倉庫に出荷を指示する。この「入力のあと」の作業が、注文書、在庫の表、出荷のメモとあちこちに散らばっていると、確認のたびに手が止まります。
この記事では、受注を担当している方と、出荷を受け持つ倉庫の方に向けて、入力のあとに手が止まる場所と、確認先をそろえる考え方、そして小さく始める進め方を順に整理します。
受注のあとの「見えない作業」を流れ図で追う

受注の入力が終わったあと、担当者の頭の中では、次のような作業が順番に動いています。一つひとつは小さな作業ですが、どこを見て判断するかが、人によって、また注文によってばらばらになりがちです。
| 順番 | 何をするか | 主に見るもの | 手が止まりやすいところ |
|---|---|---|---|
| 1 | 在庫を確かめる | 在庫の表、倉庫への電話 | 最新の数が分からず、確認の連絡が往復する |
| 2 | 在庫を注文に割り当てる(在庫引当) | 在庫の表、注文書 | 同じ在庫を別の注文にも約束してしまう |
| 3 | 納期を取引先に答える | 在庫の状況、出荷の予定 | 確認が終わるまで返事ができない |
| 4 | 出荷を指示する | 注文書、メモ、メールやFAX | 注文の内容を、倉庫向けに書き写す |
| 5 | 出荷の状況を伝える | 倉庫からの報告 | 「もう出ましたか」という問い合わせに答えるために、また確認する |
在庫引当とは、注文を受けた商品に対して、出荷できる在庫を割り当てて確保しておくことです。この表で目を引くのは、どの行にも「確認」が入っていることです。入力そのものは終わっていても、確認の先が行ごとに違うために、担当者の手が止まります。
1件の注文がたどる時間を、実際に追ってみる
確認の往復が、どれくらい時間を使うのか。あくまで一例ですが、ある卸会社で、午前9時過ぎに1件の注文が届いた場面を追ってみます。
| 時刻 | 起きたこと | かかった時間の性質 |
|---|---|---|
| 9:10 | 注文書を見ながら、受注を入力する | 作業(約5分) |
| 9:15 | 倉庫に電話をかけるが、担当者が出荷の作業中でつながらない | 待ち |
| 10:30 | 折り返しの電話で、「在庫はあります」と返事をもらう | 待ち(約1時間15分) |
| 10:40 | 在庫を割り当てたつもりで、納期をメモしておく | 作業 |
| 13:00 | 取引先から「納期はいつですか」と催促の電話が入る | 待ち(取引先が待たされている) |
| 13:10 | 納期を回答し、倉庫向けの出荷メモを書き写して渡す | 作業 |
この例では、入力にかかった時間は5分ほどなのに、納期を答えるまでに4時間近くたっています。そのほとんどは「待ち」の時間です。入力を2倍速くしても、待ちの時間は変わりません。冒頭で「入力を速くすることより」と書いたのは、このためです。
在庫を見る人と受ける人が別だと起きること

多くの会社では、注文を受ける人と、在庫を見る人は別です。受注は事務所、在庫は倉庫、というように、場所も道具も分かれていることが珍しくありません。
例えば、棚に10ケースある商品に、午前中に2件の注文が入ったとします。数字を順に並べると、行き違いの様子が分かります。
| 時刻 | 受注担当がしたこと | 倉庫の返事 | 実際の状況 |
|---|---|---|---|
| 9:00 | A社から6ケースの注文を受け、倉庫に確認 | 「10ケースあります」 | 在庫10ケース。A社分は、まだ割り当てられていない |
| 9:20 | B社から5ケースの注文を受け、倉庫に確認 | 「10ケースあります」 | A社の6ケースが、倉庫の頭の中でしか確保されていない |
| 午後 | 出荷の準備で、合計11ケースが必要だと判明 | 「1ケース足りません」 | B社への約束を、あとから変更することになる |
こうした行き違いは、担当者の注意不足から起きるのではなく、在庫を見る場所と、注文を受ける場所が別であることから起きます。どちらも、聞かれた時点の事実を正しく答えています。足りないのは、「A社の6ケースは、もう確保した」という情報が、次の確認に届く仕組みです。
「約束しすぎ」と「断りすぎ」は、同じ原因から起きる
上の例は、在庫を実際より多く見て約束してしまう「約束しすぎ」です。逆に、こうした行き違いを何度か経験した現場では、慎重になりすぎて、「確認してから折り返します」と答えるのが習慣になることがあります。これが「断りすぎ」の入り口です。
| ずれの種類 | 起きること | あとから生じる手間 |
|---|---|---|
| 約束しすぎ | 足りない在庫を、取引先に約束してしまう | 取引先への連絡、納期の変更、分納の調整 |
| 断りすぎ | 確認が取れるまで、返事を保留にする | 取引先の待ち時間、催促の電話への対応 |
どちらも原因は同じで、いまの在庫と、すでに約束した数が、一つの場所で分からないことです。担当者の慎重さや経験で補っているあいだは回りますが、担当者が替わったり、注文が増えたりすると、ずれが表に出てきます。
納期回答が遅れる置き場の問題

納期の返事が遅れる原因は、作業の速さではなく、確認に必要な情報の置き場にあることが多いようです。自社の在庫の情報が、いまどこにあるかを思い浮かべながら、次の表に当てはめてみてください。
| 在庫の置き場 | 確認の手間 | 起きがちなこと |
|---|---|---|
| 倉庫の担当者の頭の中・棚 | 聞かないと分からない | 担当者が不在だと返事が止まる |
| 表計算ソフトの在庫表 | 開いて探す。更新のタイミングは人しだい | 更新が追いつかず、実際の数とずれる |
| 基幹システム(販売管理など) | 見られる人・場所が限られる | 受注担当が直接見られず、結局聞くことになる |
| 注文を受ける画面と同じ場所 | 注文を開けばそのまま見られる | 確認の往復が減り、返事までの時間が短くなる |
いちばん下の行のように、注文を見る画面と同じところで在庫が分かるだけで、確認の電話は大きく減らせる可能性があります。
自社の確認先を点検する5つの問い
次の問いに「はい」が多いほど、確認先がばらけていて、手が止まりやすい状態です。1つでも当てはまれば、そろえる余地があります。
- 在庫を確かめるために、電話や社内チャットで倉庫に聞くことが、1日に何度かある
- 受注担当が見ている在庫の数と、倉庫が見ている在庫の数が、ずれていたことがある
- 「すでに別の注文で約束している数」が、注文を受ける画面からは分からない
- 出荷の指示を、注文書の内容をメモやメールに書き写して伝えている
- 「もう出荷しましたか」という取引先からの問い合わせに、倉庫へ確認してから答えている
点検の結果、いちばん「はい」が重なる場面が、最初にそろえる優先度の高い場所です。全部を一度に直そうとせず、そこから始めるのが現実的です。
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出荷指示を注文の一覧から出す

在庫の確認と納期の回答が終わっても、出荷の指示で手が止まることがあります。多くの場合、原因は注文の内容を、倉庫向けに書き写していることです。注文書の内容をメモやメール、別の帳票に写して渡すと、写し間違いや伝え漏れが起きるうえ、「どの注文が出荷済みか」を後から確かめにくくなります。
考え方としては、受注の一覧そのものを、倉庫への指示と出荷の状況の確認に使う形にすると、写す手間そのものがなくなります。具体的には、次の3点がそろっていると運用しやすくなります。
- 注文の内容と、出荷の指示が、同じ一覧でつながっている(書き写さない)
- 倉庫の担当者が、出荷する商品を一覧で見て、出荷の状況(出荷待ち・出荷済みなど)を自分で更新できる
- 受注担当と取引先も、同じ画面で出荷の状況を確認できる
3つめがそろうと、「もう出ましたか」という問い合わせに答えるための確認の往復も減ります。
倉庫が迷わない出荷指示に、最低限そろえたい項目
一覧から指示を出す場合も、指示に入れる項目が足りなければ、倉庫から問い合わせが来て、確認の往復が戻ってきます。次の項目が一覧で見られるかを、まず確かめておくと安心です。
| 項目 | 倉庫が知りたいこと | 抜けていると起きること |
|---|---|---|
| 商品名・数量 | 何を、いくつ出すのか | 数量の聞き返し、出荷ミス |
| 納品先 | どこへ届けるのか(本社か店舗かなど) | 納品先を取引先に確認する電話が入る |
| 希望の納品日 | いつまでに届けたいか | 出荷の優先順位が決められない |
| 備考 | 時間帯の指定や、荷受けの注意など | 配送後のクレーム、再配達 |
「出荷できない」ときの戻し方も、先に決めておく
出荷の流れが一覧にそろっても、欠品や変更はなくなりません。大事なのは、出荷できなかったときに、誰が・何を・どこへ戻すかを先に決めておくことです。決まっていないと、結局は電話に戻ってしまいます。
| 場面 | 倉庫がすること | 受注担当がすること |
|---|---|---|
| 全部は出荷できない(欠品) | 出荷できない商品に「出荷不可」の状況をつける | 取引先に、いつ出せるか(納品予定日)を回答する |
| 一部だけ先に出す(分納) | 出荷できる分だけを出荷し、状況を更新する | 残りの分の納品予定日を取引先に伝える |
| 出荷日が変わった | 変更後の出荷日を一覧に反映する | 取引先に変更を伝える |
全部を一度に変えなくていい|小さく始める3ステップ

確認先をそろえると聞くと、大がかりな作業に思えるかもしれません。ですが、最初から全商品・全取引先を対象にする必要はありません。進め方の一例を挙げます。
| ステップ | やること | ゴール |
|---|---|---|
| 1 書き出す | 確認の回数が多い商品を3〜5個選び、「在庫をどこで見ているか」「出荷の指示をどう伝えているか」を書き出す | 確認先がばらけている場所が見える |
| 2 ルールを決める | 在庫の数を誰がいつ更新するか、出荷の状況をどの言葉で表すか(出荷待ち・出荷済み・出荷不可など)を決める | 倉庫と受注担当で、同じ言葉で話せる |
| 3 小さく試す | 対象の商品と、相手にしやすい取引先から、一覧で在庫と出荷を確認する形を試す | 確認の電話が減ったかを、実際に確かめる |
ステップ2の「言葉をそろえる」は、道具を入れる前にできる、いちばん費用のかからない工夫です。「出荷待ち」と「準備中」と「手配済み」が混在しているだけで、確認の電話は増えます。
ステップ3まで進めて、「紙や表計算では、更新の手間が追いつかない」と感じたら、そこが仕組みの側に任せる目安です。
受発注システム「CO-NECT」で、注文・在庫・出荷の確認先をそろえる

ここまでの「確認先を一か所にそろえる」考え方を、仕組みの側で支えるのが、受発注システム「CO-NECT(コネクト)」です。企業同士の注文のやり取りをWeb上でまとめて行えるシステムで、取引先がWebで注文すると受注の一覧に載り、その一覧から在庫の確認や出荷の指示、状況の共有までを進められます。
1件の注文が、一覧の中でたどる流れ
先ほどの「1件の注文がたどる時間」を、CO-NECTで置き換えると、流れは次のようになります。
- 取引先が、発注フォームから商品を選んで注文する(フォームには在庫の状況を表示できる)
- 注文が受注の一覧に載り、受注担当が、受付中などの状況を一覧で確認する
- CO-NECT上で、納品の予定日を取引先に回答する
- 倉庫などの出荷担当者に、出荷を指示する(必要に応じて、ピッキングリストをCSVで出力する)
- 出荷担当者が、一覧で「配送待ち」「出荷済」「出荷不可」の状況を設定する
- 受注側・発注側の双方が、注文履歴の画面で出荷の状況を確認する。納品書は、受注の履歴ごとに自動で作成される
この流れの中では、注文の内容を書き写す場面も、「もう出ましたか」と倉庫に聞き直す場面も、同じ一覧を見れば足りるようになります。
受注のあとの作業に関わる機能
この記事の流れに沿って、公式の機能紹介にある内容を整理すると、次のとおりです。
| 場面 | CO-NECTの機能 | できること |
|---|---|---|
| 在庫の確認 | 在庫表示 | 商品ごとの在庫数を自動で更新し、取引先向けの発注フォームに在庫の状況を表示できる |
| 在庫の確認 | 在庫数アラート | 在庫数が設定した値を下回ると通知を受け取れる(欠品の防止に) |
| 納期の回答 | 納品予定日の回答 | CO-NECT上で、納品の予定日を取引先に回答できる |
| 出荷の準備 | ピッキングリスト出力 | 商品名または発注事業者ごとに、ピッキングリスト(倉庫で商品を集めるための一覧)をCSVで出力できる ※標準搭載のオプション機能 |
| 出荷の指示 | 出荷指示 | CO-NECTで受けた注文を、倉庫などの出荷担当者へ指示できる。担当者は一覧で確認し、「配送待ち」「出荷済」「出荷不可」の状況を設定できる |
| 出荷の変更 | 出荷日の変更、出荷ステータスの一括更新 | 登録済みの出荷日をあとから変更できる。送り状番号を含めて、CSVで出荷の状況や一部出荷をまとめて更新することもできる |
| 出荷の共有 | 出荷状況の共有 | 受注側・発注側の双方が、注文履歴の画面で出荷の状況を確認できる |
| 書類 | 納品書 | 受注の履歴ごとに、納品書が自動で作成される |
欠品や分納のときの動きも、この表の「出荷不可」「納品予定日の回答」「一部出荷の更新」を使えば、先ほどの戻し方の表に沿って、同じ一覧の中で進められます。オプション機能の扱いや、自社の運用にどこまで合うかは、取引先の数や月間の受注数によっても変わります。詳しくは、公式の機能紹介ページや資料で確かめてみてください。

また、招待された取引先は、無料でWeb発注を始められます。電話やFAXなどWeb以外で受けた注文も、受注登録の機能でCO-NECTに登録して、Web注文とまとめて管理できるので、受注の入口が混在していても、入力のあとの流れは同じ一覧にそろえられます。
FAXの注文書が残る場合は|CO-NECT AIデータ変換

取引先の中には、これまでどおりFAXやPDFで注文を送りたい会社も残ります。そうした注文書は、AI-OCR(注文書の読み取り)サービス「CO-NECT AIデータ変換」で、受注のデータにできます。FAX・メール・PDF・画像・手書きの注文書をAIが読み取り、商品マスタ(自社の商品台帳)と結びつけて、受注登録やCSV出力につなげます。読み取りの結果は100%正確とは限らないため、画面で確認・修正する前提です。
入力のあとの流れ(在庫の確認から出荷の指示)は、Web注文もFAXの注文も、受注データになったあとは同じ一覧で進められます。取引先にやり方を変えてもらわなくても、確認先をそろえられるのが、この組み合わせの利点です。
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よくある質問

在庫引当とは、何をすることですか?
受けた注文に対して、出荷できる在庫を割り当てて確保しておくことです。割り当てがないと、同じ在庫を別の注文にも約束してしまうことがあります。
受注と出荷の担当が別でも、一か所にそろえられますか?
担当が別でも、見る場所をそろえることはできます。注文の一覧を共通の入口にして、受注担当は注文と納期、倉庫の担当者は出荷する商品と出荷の状況、というように、同じ一覧から必要な部分を見る形です。
欠品になったときは、どう扱えばよいですか?
出荷できない商品に「出荷不可」の状況をつけ、いつ出せるかを納品予定日として取引先に回答する、という順が基本です。誰が何を戻すかを事前に決めておくと、電話での連絡に戻らずに済みます。
分納(一部だけ先に出荷)や、出荷日の変更にも対応できますか?
CO-NECTには、登録済みの出荷日をあとから変更する機能と、CSVで一部出荷や出荷の状況をまとめて更新する機能があります。運用の細かな条件は、自社の流れによって変わるため、資料や相談で確かめておくと安心です。
すでに基幹システムで在庫を管理している場合は?
CO-NECTは、外部のAPI連携やCSV連携で、基幹・販売管理や在庫管理などのシステムとデータをやり取りする使い方ができるとされています。対応状況は連携先のシステムによって異なるため、使っているシステムが決まっていれば、事前に相談しておくと安心です。
取引先にも負担はかかりますか?
CO-NECTでは、招待された取引先は、無料でWeb発注を始められます。FAXや電話で受けた注文も、受注側がCO-NECTに登録できるので、すべての取引先に同時に切り替えてもらう必要はありません。
まず何から整理すればよいですか?
確認の回数がいちばん多い商品を数個選び、「在庫をどこで見ているか」「出荷の指示をどう伝えているか」を書き出してみてください。確認先が複数に分かれているところが、そろえる優先度の高い場所です。
まとめ|入力のあとの確認先を、一か所にそろえる

入力を速くする工夫も大切ですが、入力のあとに待っている確認の往復を減らすほうが、一日の負担は軽くなります。まずは、確認の回数が多い商品から、在庫と出荷の確認先を整理してみてください。
その土台として、注文・在庫・出荷の確認先をそろえられる受発注システム「CO-NECT」があります。まずは資料で、自社の流れに合うかどうかを確かめてみてください。
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本記事の機能に関する内容は、CO-NECTの公開情報(2026年10月時点)に基づきます。機能・オプションの内容は今後変わる場合があります。記事中の時刻や数量の例は、説明のための仮の設定です。