受発注業務 業務効率化

値上げラッシュで現場が疲弊する「単価変更」の落とし穴|価格改定をミスなく回す手順

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受注や営業事務を担当している方にとって、値上げが続くこの時期は、単価の書き換えに追われる時期でもあります。仕入先から改定の連絡が届き、自社の販売価格を見直して、取引先に新しい価格表を送る。やっと一段落したと思ったら、翌週には旧単価のままの注文書がFAXで届いている。

しかも、改定は一度では終わりません。帝国データバンクが全国の企業に行った調査では、コストの上昇分を多少なりとも価格に転嫁できている企業は75.8%。一方で、転嫁できた割合(価格転嫁率)は39.9%にとどまり、値上げから価格改定までの期間が「短くなった」と答えた企業も26.3%ありました。一度の値上げで終わらず、何度も価格を見直していく流れが続いています。

販売管理は直したのに、見積のエクセルが古いままだった。特別単価の取引先だけ、書き換えが漏れていた。どれも小さなことですが、改定のたびに起きれば、確認作業はじわじわ増えていきます。

この記事では、受発注の流れの中で単価がズレやすいところと、業種ごとにつまずきやすいところを整理しました。

値上げのたびに増える「単価変更」という仕事

たとえば、業務用の食品や資材を扱う卸を思い浮かべてみてください。取引先はおよそ100社、商品は800点ほど。仕入れ値が上がれば、自社の販売価格も見直して、取引先に新しい価格表を送ります。「値上げ対応」というと、ここまでをイメージする方が多いと思います。

実際に手間がかかるのは、そのあとです。単価は1か所にまとまっているとは限りません。販売管理にもある。見積用のエクセルにもある。取引先に渡した価格表にも載っている。置き場所が3か所あれば、同じ単価を3回直すことになります。

もうひとつ厄介なのが、単価にもいろいろな種類があることです。定価どおりの単価だけなら一覧を差し替えれば済みますが、実際の受注ではそうはいきません。改定のときに漏れやすい単価を、種類ごとに並べてみました。

単価の種類改定のときに起きがちなこと漏れやすい理由
標準単価(定価・卸値)価格表は直したが、見積のエクセルや注文書の用紙に旧単価が残る置き場所が多く、どこまで直したか分からなくなる
取引先ごとの特別単価一部の取引先だけ書き換えが漏れる/改定の時期をずらす取引先を忘れる例外が担当者の記憶やメモにしかないことが多い
数量・ロットで変わる単価「10ケース以上はこの値段」といった段階の単価の片方だけ直る1つの商品に単価が複数あり、見落としやすい
ケースとバラの単価ケース単価は直したが、バラ単価が旧価格のまま同じ商品でも単位ごとに別の数字として管理されている
見積で出した単価改定前に出した見積の単価で、改定後に注文が届く見積の有効期限や、どの見積がまだ生きているかを追いにくい

どの会社にも全部があるわけではありませんが、2つ3つ当てはまる会社は多いはずです。こうした単価が品目の数だけあると思うと、1回の改定で動かす数の多さが想像できると思います。これが年に2回、3回と続けば、もう「たまにある臨時の作業」とは言えません。

単価変更の落とし穴|旧単価はここで紛れ込む

書き換えのどこかが漏れていると、現場では何が起きるのか。改定後に届いた1枚の注文書を追いかけてみます。

取引先の手元|いつもの注文書に古い単価が残っている

新しい価格表は、メールやFAXで取引先に届いています。とはいえ、取引先の担当者が毎回それを横に置いて注文書を書いてくれるとは限りません。手元には何年も使ってきた注文書の用紙や、前にもらった見積書があります。

忙しい朝、いつもの用紙に、いつもの品番と単価を書いてFAXする。取引先に悪気があるわけではなく、注文書を書く人の目の前に新しい単価がないだけです。

注文を受けるとき|FAXや電話では単価を確かめにくい

届いた注文書には、旧単価がそのまま書かれています。受注担当者が気づけばいいのですが、1日に何十枚もさばく中で、単価まで一つずつ目で追うのは現実的ではありません。

電話だと、そもそも単価の話が出ないこともあります。「いつものを、いつもの数で」。取引先の頭の中にあるのは、たぶん前の値段です。

入力するとき|社内の単価表が何種類もある

販売管理に入力する段階でも、ズレは起こります。システムの単価は新しくなっていても、担当者が手元のエクセルや印刷した価格表を見ながら入力すれば、古い単価が入ってしまいます。

特別単価の取引先はとくに気をつけたいところです。「A社だけは改定を1か月遅らせる」といった例外があると、どの取引先にどの単価を当てるかが、担当者の記憶頼みになりがちです。

出荷・請求のあと|気づくのが遅いほど手間が増える

旧単価のまま処理が進むと、ズレが見つかるのは請求書を送ったあと、ということもあります。取引先から「注文書と金額が違う」と連絡が来て、はじめて気づくケースです。

ここまで来ると、請求書を出し直したり、取引先に説明したりと、後始末が増えます。注文を受けた時点で見つかっていれば、電話1本の確認で済んだかもしれません。

落とし穴の根っこは「単価が何か所にもある」こと

4つの場面を見比べると、原因はどれも同じところにたどり着きます。単価があちこちに散らばっていることです。置き場所が多ければ、改定のたびに直す場所も、直し忘れる場所も増えます。

よくある置き場所と、そこに旧単価が残ったときに起きることを並べてみました。

単価の置き場所旧単価が残っていると起きること直し忘れやすい理由
販売管理・基幹システムの商品マスタ受注入力のたびに旧単価が自動で入り、請求まで進んでしまうここは直す意識が高いが、特別単価や段階単価まで手が回らないことがある
見積用のエクセル・スプレッドシート新しく出す見積が旧単価のままになる担当者ごとにファイルを持っていて、全部を把握しにくい
取引先に渡した価格表(紙・PDF)取引先が古い価格表を見て注文してくる送り直しても、取引先の手元の古い版は回収できない
取引先に配った注文書の用紙(単価欄つき)旧単価が印刷された用紙のまま注文が届く用紙の刷り直しや差し替えは後回しになりがち
営業担当の手元の資料・メモ電話や商談で旧単価を伝えてしまう個人の持ち物なので、会社として直したかを確かめにくい
ECサイトや受発注システムの商品情報画面に旧単価が出たまま注文が入る社内の販売管理とは別に更新が必要なことがある

表の中に、自社にあるものがいくつあるかを数えてみると、改定のたびに直す場所の多さが見えてきます。特に「直し忘れやすい理由」に心当たりがある場所は、次の改定で旧単価が残りやすいところです。

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業種別|単価変更でつまずきやすいところ

単価の持ち方や注文の受け方は、業種によってかなり違います。同じ「値上げ」でも、つまずきやすい場所は業種ごとに変わってきます。

改定のペースも上がっています。帝国データバンクの同じ調査では、コストが上がってから価格改定までの期間が「短くなった」と答えた企業は、製造で34.6%、卸売で30.3%でした。改定の間隔が短くなるほど、単価を書き換える回数も増えていきます。

ここでは、受発注の現場でよく見られるパターンを業種ごとにまとめました。会社によって事情は違うので、自社に近いところを参考にしてみてください。

食品の卸・メーカー|単位ごとの単価と、毎日の注文

食品を扱う会社は、商品の数が多く、同じ商品でも「ケース」と「バラ」、「個数」と「kg」など、単位ごとに単価を持っていることがよくあります。飲食店やスーパーなど、取引先ごとに特別な価格を決めている場合もあります。

日配品のように毎日注文が届く商品では、改定日の前後にも注文が途切れません。ケース単価だけ直してバラ単価が旧価格のまま、といったズレが起きやすいので、単位ごとの単価がそろって新しくなっているかに目を配っておくと安心です。

建材・資材・設備の卸|見積で決めた単価が、あとから注文になる

建材や設備の卸では、現場や案件ごとに見積を出し、その見積の単価で注文を受けることがあります。見積を出してから実際に注文が届くまで、数週間から数か月あくことも珍しくありません。

このため、改定前に出した見積の単価で、改定後に注文が届くことがあります。どの見積がまだ有効なのか、注文と見積をどう結びつけて確認するのかを、改定前に整理しておくと慌てずに済みます。

部品・資材の製造業|ロットや型番ごとに単価が分かれる

受注生産の部品や資材を扱う製造業では、型番や図番ごとに単価があり、さらに注文数量(ロット)によって単価が段階的に変わることがあります。取引先ごとに、年に一度など決まった時期に単価を取り決めている会社もあります。

原材料費の変動が続くと、こうした定期の取り決めとは別に、途中で単価を見直す場面も出てきます。取引先ごとに改定の時期がばらばらになりやすいので、「どの取引先は、いつから新しい単価か」を一覧で見られるようにしておくと確認しやすくなります。

日用品・消耗品の卸|値上げの連絡が、メーカーごとに届く

日用品や消耗品を扱う卸では、取り扱う品目が多く、仕入先のメーカーごとに値上げの時期や内容が違います。連絡がばらばらに届くため、どの改定をどこまで自社の販売価格に反映したのかが分かりにくくなりがちです。

期間限定の価格やキャンペーン価格を設定している場合は、通常の単価とは別に管理が必要です。「どのメーカーの、いつの改定を、どこまで反映したか」を記録しておくと、あとから確認するときに役立ちます。

業種ごとの特徴を並べると、次のようになります。

業種単価の特徴つまずきやすいところ気をつけたいポイント
食品の卸・メーカーケース・バラ、個数・kgなど単位ごとに単価がある。毎日注文が届く単位ごとの単価の直し漏れ。改定日前後の注文単位ごとの単価がそろって新しくなっているか
建材・資材・設備の卸現場・案件ごとの見積で単価を決める改定前の見積単価で、改定後に注文が届くどの見積がまだ有効か、注文と見積の結びつけ
部品・資材の製造業型番・ロットごとに単価が段階的に分かれる取引先ごとに改定時期がばらばらになる取引先別の「いつから新単価か」の一覧
日用品・消耗品の卸品目が多く、メーカーごとに値上げ連絡が届くどの改定をどこまで反映したか分からなくなる反映した改定の記録、期間限定価格の管理

どの業種にも共通するのは、単価の種類や置き場所が多いほど、改定のたびに確認することが増えていくという点です。

改定のたびの手間を減らすには|受発注の単価をまとめて、取引先は画面で確認

業種ごとの気をつけたいところを押さえておけば、単価変更のミスはある程度減らせます。ただ、取引先や商品が多い会社ほど、人の注意力だけで追いかけるのはしんどくなっていきます。

受発注の仕組みをつくっている私たちの考えは、シンプルです。受発注で使う単価を1か所に集約し、取引先にはその単価を画面で確認して注文してもらう。 そうすれば、そもそも旧単価の注文書が生まれにくくなります。

取引先がWebの発注画面から注文する形なら、画面に出るのは受注側で設定した単価です。古い注文書や記憶を頼りに単価を書く場面がなくなります。

こうした仕組みを検討するときは、機能の多さよりも、この記事で見てきた「漏れやすい単価」に対応できるかを見ておくと安心です。

確かめたいことなぜ大事か
取引先ごとの特別単価を設定できるか例外の単価を担当者の記憶から切り離せる
価格をまとめて更新できるか品目や取引先が多くても、1つずつ直さずに済む
切り替え日に合わせて新しい価格にできるか改定日の前後で旧単価と新単価が混ざりにくくなる
電話やFAXなど、Web以外で受けた注文もまとめて管理できるかWebに移れない取引先が残っても、注文の置き場所が分かれにくい

すべての取引先が一度にWeb発注へ移る必要はありません。 FAXのままがいいという取引先は、どの会社にもいるものです。受発注で使う単価の置き場所を先に決めておけば、注文の受け方は少しずつ変えていけます。

受発注システム「CO-NECT」でできる単価管理

受発注システム「CO-NECT(コネクト)」は、企業同士の注文のやり取り(受発注)を、Web上でまとめて行えるようにするシステムです。 受発注で使う取引先ごとの単価をCO-NECT上に集約でき、取引先は画面に表示された最新の単価を見ながら注文できます。

受発注システム「CO-NECT」の仕組み

使い方はシンプルです。

  1. 受注する側(売り手)が、取り扱う商品と単価をCO-NECTに登録します
  2. 取引先(買い手)は、パソコンやスマートフォンの発注画面から、商品を選んで注文します
  3. 届いた注文は、受注する側の画面に一覧で表示されます。出荷済みかどうかといった対応状況も、ひと目で確認できます

取引先はFAX用紙に単価を書き写す必要がなく、画面に出ている商品と単価を見ながら注文するだけです。CO-NECTに招待された取引先は、無料でWeb発注を始められます。

「うちの取引先はFAXや電話がほとんど」という場合も大丈夫です。FAXやメール、電話などWeb以外で受けた注文もCO-NECT上に登録して、Web注文とまとめて管理できます。

単価まわりでできること

単価の管理に関わるところでは、次のようなことができます。

  • 取引先ごとの特別単価:取引先ごとに、表示する商品と単価を設定できます
  • 単位ごとの単価:個数売りに加えて、量り売り(g・kg)やケース単位にも対応しています。オプションで、同じ商品をケースとバラの両方で発注できるように設定することもできます
  • 価格のまとめて更新:取引先ごとの価格を、複数の発注画面にまたがって一括で更新できます
  • 切り替え日に合わせた価格変更:新しい価格にした発注画面を前もって用意しておき、公開する期間を切り替えることで、改定日から新しい価格にできます
  • 電話で受けた注文の入力:電話注文などを受注する側が代わりに入力するときも、取引先ごとに設定した価格を反映して登録できます。「いつもの値段で」と言われても、入力する人が単価を一つずつ思い出す手間を減らせます

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FAXの注文書が多い場合は

FAXで届く注文書が多い会社には、AI-OCR(注文書の読み取り)サービス「CO-NECT AIデータ変換」もあります。FAXやPDFで届いた注文書をAIが読み取り、手入力や転記の作業を大幅に減らして、受注データとして使える形に変換するサービスです。読み取り結果は画面で確認・修正できるので、取引先にはこれまでどおりFAXで注文してもらいながら、社内の入力作業を減らしていけます。

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まとめ|値上げのたびに慌てないために

値上げが続くいま、単価変更は受注の現場にとって毎年くり返す仕事になりつつあります。食品なら単位ごとの単価、建材なら見積の単価、製造業なら取引先ごとの改定時期と、業種によってつまずきやすい場所は違います。それでも、旧単価の注文が届く背景には、誰かのうっかりよりも、単価があちこちに散らばっている仕組みのほうに原因があることが少なくありません。

値上げのたびに現場が疲れ切ってしまわないように、受発注で使う単価を1か所に集約する仕組みも選択肢に入れてみてください。

受発注システム「CO-NECT」は、取引先ごとの単価設定や価格の一括更新に対応しています。招待された取引先は無料でWeb発注を始められ、受注する側も無料で試すことができます。自社の単価管理に合うかどうか、まずは実際の画面で確かめてみてください。

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